蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
耕介は手にした雑誌をポイと投げ飛ばし、立ち上がった。

「オラ帰れ帰れ。俺はこれから仕事だ。おめぇらに構ってる暇ねぇんだよ」

そう言って、ハンガーに掛けてあるダークのスーツを羽織る。

「依頼…?」

「何か事件ですか?」

ソファから身を起こす雛罌粟と俊平。

暇を持て余していた事もあり、興味津々だ。

「殺人事件?密室トリック…?」

「尾行ですか?張り込みですか?」

「お前らはテレビドラマの見過ぎだ、探偵ってのはそんなカッコいい事ばっかしてねぇんだよ」

耕介は溜息をつく。

「海水浴場に行って来る」

「仕事じゃないじゃないですかっ!」

俊平がツッコんだ。

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