蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
と。

「何か騒々しいと思ったら、あんたらか」

一人の男が歩いてくる。

水着の上に白のパーカーを羽織った、ビーチサンダルを穿いた夏彦だ。

「南部さんも海水浴に?」

冴子が言う。

「一人で海水浴…ちょっと寂しいですね…」

雛罌粟が辛辣な台詞をポツリ。

それにも気を悪くせず。

「ははは…俺は海水浴とは別の用事でね」

そう言って夏彦は耕介の顔をチラリと見る。

< 88 / 440 >

この作品をシェア

pagetop