愛するお方が蛇となりました
「あーなーたー!」
「ばっ、蛇にキスしようとすんじゃねぇ!」
待ったをされたので口を尖らせたまま、正座をする。
「ひどいわ、あなた。あなたのために、有象無象がはびこる危険地帯にわざわざ出かけたというのに。ワタクシ今日もナンパされたのよっ」
「たかだか買い物行くぐらいで……はっ、ナンパ!?だ、大丈夫だったか!」
「もちろんよ、あなた。ヒールで眉間に穴を開けてきたわ。ワタクシ、身も心もあなたの物ですもの」
「相手が大丈夫かよ……」
「むしろ大丈夫なのかは、あなたに聞きたいわ。蛇になっちゃうだなんて……」
そんな今のあなたは、太さ3センチ、長さ20センチほどの小物蛇。
「でもあなたは蛇になっても素敵だわぁ。白だなんて神々しい。崇めて讃えて愛したいっ」