愛するお方が蛇となりました
「蛇を愛せるお前の神経って……。つーか、落ち着けと言った手前だが、あまりにもあっさりしてねえか。これでも俺、目覚めた瞬間にまた意識無くなるほど驚いたんだけど」
「あなたが意識を無くせと言うならば、フライパンで頭を叩くわ」
「やめろや、マジでやる気の目になんな。はあ……、ほんとなんでこんなことに」
しゅんと落ち込む蛇改め、愛しい人。慰めようと手を伸ばす。
「ばっ、だから触んな!俺が言うのもなんだが、蛇だぞ!毒蛇とかだったらまずいって!」
「噛まないでね噛まないでね噛まないでね」
「なに『押すなよ』みたいな煽りしてんの!?噛まれたいのか、お前は!」
「あなたの体液がワタクシの全身に巡るだなんて、考えただけでもぞくぞくよ。それで昇天することあっても、あなたに殺されたとなれば笑顔で逝けそう。うふふ、成仏せずにずうっとあなたの傍にいます、か、ら、ね」