[短編] The key to happiness .
そんな伝説がうちの学校にあるなんて、全然知らなかった。
信じがたいけど、信じてみたい気もする。
だって、なんだかすごくこのカギが輝いて見えるんだもん。
見た目はちょっとくすんでるけど、でもキラキラしてる。
「いいことあるといいね♪」
「うん!」
「何が起きるかなー?」
少し、わくわくしてきた。
文化祭だっていうのに沈んでいた気分が、晴れた。
それだけでも、良いことが起きたってことになるのかもしれない。
「陽菜っ!」
「えっ?」
突然、誰かが私の名前を呼ぶ声がした。