岸栄高校演劇部〆発端
*
「ハル、ちょっといいか?」
隣のクラスにいる【霧白 遥乃】(きりしろ はるの)を訪ねにきた俺たち。
サラサラの綺麗な長い茶髪に、大きな黒目。色白で、すれちがった時にふわっと良い香りがする。そんな、女の子。
すっげ可愛くて、エイジの幼馴染みちゃんだと云う事をつい先程知った俺は、口をパッカーンと開けて間抜け面を晒していた。
ら、その隙を突かれてエイジにここまで連れてこられたというわけだ。
霧白さんを気安く【ハル】と呼ぶエイジに、ちょっとだけ嫉妬しちゃった俺がいたりいなかったり。
教室で女子と喋っていた霧白さんは、その子たちに「ちょっと待ってて」と言うとこっちに来た。
途端にキンチョーする俺。それをエイジが「わっかりやす!」と言って笑いそうになるから肘で思いっきり突いてやった。
地味に身悶えするエイジに素知らぬ顔をしていると、「なあに?」と言って霧白さんが廊下に出てきた。
「どうしたの、エイジ。珍しいね。高校に入ってから一度も話しかけてくれなかったくせに」
「わりぃ、わりぃ。俺もダチ探しで忙しかったんだよ。ハルだって俺んとこに来なかったろ?」
ぷう、と可愛らしく頬を膨らませる霧白さんに、後頭部を掻いて言い訳するエイジ。
うぐっ……なんかお前らカップルみたいじゃんか。エイジ、お前はデートに遅れてきた彼氏かよ。
なんて内心面白くない状態で二人を見つめていると、ふいに霧白さんがこっちを向いた。
「あら、エイジ、この人は?」
「ああ、そいつが俺のダチ。な、ギン?ちなみにこいつ、ちょー面白れえの。入学式の日に……」
「わーわーっ!エイジ、しーっ!」
それは俺の黒歴史だ!絶対話すんじゃねえぞボケェ!
的な視線を送って口を塞げば、その様子を見ていた霧白さんがクスクス笑っていた。
「ハル、ちょっといいか?」
隣のクラスにいる【霧白 遥乃】(きりしろ はるの)を訪ねにきた俺たち。
サラサラの綺麗な長い茶髪に、大きな黒目。色白で、すれちがった時にふわっと良い香りがする。そんな、女の子。
すっげ可愛くて、エイジの幼馴染みちゃんだと云う事をつい先程知った俺は、口をパッカーンと開けて間抜け面を晒していた。
ら、その隙を突かれてエイジにここまで連れてこられたというわけだ。
霧白さんを気安く【ハル】と呼ぶエイジに、ちょっとだけ嫉妬しちゃった俺がいたりいなかったり。
教室で女子と喋っていた霧白さんは、その子たちに「ちょっと待ってて」と言うとこっちに来た。
途端にキンチョーする俺。それをエイジが「わっかりやす!」と言って笑いそうになるから肘で思いっきり突いてやった。
地味に身悶えするエイジに素知らぬ顔をしていると、「なあに?」と言って霧白さんが廊下に出てきた。
「どうしたの、エイジ。珍しいね。高校に入ってから一度も話しかけてくれなかったくせに」
「わりぃ、わりぃ。俺もダチ探しで忙しかったんだよ。ハルだって俺んとこに来なかったろ?」
ぷう、と可愛らしく頬を膨らませる霧白さんに、後頭部を掻いて言い訳するエイジ。
うぐっ……なんかお前らカップルみたいじゃんか。エイジ、お前はデートに遅れてきた彼氏かよ。
なんて内心面白くない状態で二人を見つめていると、ふいに霧白さんがこっちを向いた。
「あら、エイジ、この人は?」
「ああ、そいつが俺のダチ。な、ギン?ちなみにこいつ、ちょー面白れえの。入学式の日に……」
「わーわーっ!エイジ、しーっ!」
それは俺の黒歴史だ!絶対話すんじゃねえぞボケェ!
的な視線を送って口を塞げば、その様子を見ていた霧白さんがクスクス笑っていた。