ブラコン。

「いいからー! 教えて!」


「一七七.八だったよ」


 それを聞いたユウは、悔しそうな、でも嬉しそうな、なんとも読めない顔をしていた。


「ユウは俺より小さいままでいいんだよ」


「イヤだね! 俺はいつか兄ちゃんを超すんだから!」


 兄より大きい弟なんてちょっと嫌だし、それに俺はいつまでもユウを可愛がりたいんだ。


 だから毎日牛乳を飲むのはちょっとやめてほしいんだよね。


「そんな可愛い顔なんだから、あんま背デカいと違和感あるぞ」


 俺のその言葉に、母さんは頷いているけどユウは悲しそうだ。


「男だし! 俺! 可愛いとかムリ! 兄ちゃんみたいに男らしくなる!」


 あぁ、可愛い事言ってくれるよねユウってば。

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