ブラコン。

「兄ちゃんの好きなプリン買ってきた」

 
「うぉ! マジ? ありがとなーっ」


 一人でリビングに入ってきたのかと思った俺は、有頂天で差し出されたプリンを受け取った。



「後でユウも――」


 そう言いかけた途端、ユウの後ろから、背後霊のようにのろりと豚野郎が現れた。




「こ、こんばんは。お邪魔します」


 ――その瞬間、俺の中の何かがガラガラと音を立てて壊れていった。

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