ブラコン。

 
「え……もっかい言って?」



 ある日、すっごく悲しい顔をしたユウが、俺の右そでを掴みながらそう言った。


「彼女?? 兄ちゃんが?」


「お兄ちゃんが今日、彼女をウチに連れてくるんですって! ごちそう作らないとねっ!」


 母さんの張り切りをよそに、目の前のユウは今にも泣き出しそうだった。



 俺に先を越されたとでも思ったのかな?

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