ダーリンは12歳年下~遠恋の果てに~
産みたい。
産まれてきてほしい。
そう思うあたしの気持ちとは裏腹に夫はあたしに
『堕ろせ!』
と冷酷な言葉を浴びせた。
それでもあたしは一人でも産み育てる決心をしていたので、堕胎の為、母に無理矢理連れて行かれた産婦人科でも断固として堕ろすのを拒否した。
あたしは絶対にお腹の子のママになってみせる!!
まだ見ぬ小さな命が愛しくて仕方なかった。
自分でも不思議な程たくさんの母性が芽生えてたのです。
その後、あたしと夫は未成年という事もあって両方の親を交えて話し合いを繰り返し、かたくななあたしの意思を考慮してもらい結婚という形で責任を取ってもらう事になった。
夫も一応は、あたしとの結婚を受け入れてくれたのに…
けれども、結婚して子供を産み育てて行くと決まったらあたしは暖かい家庭にしていきたい。
そう思いました。
あたしは幼い時は母子家庭で育ち小学校6年生の時に母が再婚したけど、やはり思春期の頃に両親と衝突し非行に走り幾度も親を泣かせてた。
その為、暖かい家庭への憧れが大きかったんです。
だから夫に殴られても蹴られてもいつか暖かい家庭にするんだ。
そんな夢を見ながら約14年間、我慢した。
でも何かあるごとに夫はあたしにこう言いった。
『お前となんか結婚したくなかった!別れるつもりだった!
お前の親父から責任取れって言われたから仕方なく責任取って結婚しただけだ!』
何度も…何度も…何度も…
言われ続けた。
一度は、ホントに大好きで
一緒に同棲した仲だったのに…