ダーリンは12歳年下～遠恋の果てに～

その頃でも隆司とは日頃からよく連絡を取り合っていた。


チャットで毎晩のように深夜から朝まで、あたしの仕事のグチや日常の話など気兼ね無く会話を交していたんです。


その中で隆司は、

『今日子なんかと付き合わないで、初めからしいタン狙ってたらよかったな～。大阪遊びに行こうかな。』


そう度々言ってた。
そしてあたしもその場のノリで、


『おいでおいで～遊ぼう～』

などと軽い気持ちで受け答えした。


だけど、その言葉通り本当に隆司は大阪に来たのです。
そして一緒にテーマパークに行くことになった。


アトラクションに乗ったり、バカっ話したり、チャットを始めた頃の話で盛り上がったり。


隆司が今日子と付き合ってた頃には知らなかった一面も見る事が出来た。


『このソフトクリームおいしいよね！』

『あ、髪にソフトクリームついてるぞ。』


あたしの髪を拭ってくれる隆司。


『わぁ…口の周りとかついてない？』

『どれどれ、見せて。』



まじまじとあたしの顔を見る隆司。
なんだか無言になっちゃうふたり。



そして隆司は少し照れながら


『……思わず、ちゅうしたくなった…』



ドキッ
ちょっと甘酸っぱい気持ちになる。



『俺、マジでやばかった…』

『えーー！！えへへ(笑)』



笑ってごまかしたあたしに


『手、つなごう？』


そう言って隆司はあたしに左手を差し出した。


『うん』


あたしは、そっと隆司の手に右手を重ね合わせる。


『しいタン…』

『ん？』

『俺とつきあって…』


隆司の顔が真っ赤になる。


こんなにも照れた隆司を見たのは初めて。
なんだかあたしも照れくさくなってきた。


『うん…いいよ』



すごく不思議な気分…

今日子の彼氏だった隆司と付き合うことになるなんて。

まさかこんな展開になるなんて！



けど、あたしの気持ちは隆司に動き始めていた。