ダーリンは12歳年下~遠恋の果てに~
そして気がつけば季節は初夏へと移り変わっていた。
『はぁ!もういい加減ちゃんと衣替えしなきゃ。』
ずっと忙しく働いて常に疲れていたので、なかなか衣替えをすることがなく、押入れの衣装ケースから半そでを引っ張り出して着ていた。
『押入れの中もひっくり返ってるよ…』
ブツブツ独り言を言いながらおもむろに片づけ始める。
夏の洋服を衣装ケースから出しタンスの冬服と入れ替える。
やっぱり夏服って好き。
冬服はダークな色の洋服が多いんだもん。
それに比べて夏服は色鮮やか。
衣替えをしてるだけでこれからやってくる鮮やかな夏を感じて、なんだか胸がわくわくする。
一通り洋服を入れ替えて、次に押入れの中も片づけ始める。
もうこれいらないよね。
全然使ってないし。
古びたカバンや今更何に使ったらいいかわかんない小瓶など、捨ててしまうものをゴミ袋に詰め込んだ。
そして一つの箱を手に取った。
これ、何入れてたんだっけ?
中を開けたら懐かしい思い出が目に映る。
あ、ゆうタン…
ゆうタンと写したプリクラ。
ゆうタンの写真。
ゆうタンからの手紙。
そんないくつかの過去の品が行楽地のパンフレットや使い古したノートとともに無造作に箱の中に納められている。
そうだ…
ゆうタンと別れた後、部屋を片付けた時にまとめて箱にしまったんだ。
他の物とごちゃ混ぜになったゆうタンとの思い出がなんだか可愛いそうで
『ゆうタン、ごめんね。』
写真を手に取りつぶやいた。