子羊に愛の手を
~出会い~
#~リビング~
(激しい落下音)
レノ「……何の音だ?」
パノ「裏庭の方からだね。行ってみようか」
#~裏庭・御神木~
パノ「兄貴、御神木の根元に」
レノ「……女?」
パノ「息はある。脈も正常……。とにかく、彼女を部屋に運ぼう」
(ハルヒを見つめるレノ)
レノ「……」
パノ「? 兄貴?」
レノ「……ああ……そうだな」
#~客室~
(ベッドで寝ているハルヒ。
目を覚ます)
ハルヒ「……あ……」
パノ「気が付いたようですね。気分はどうですか?」
ハルヒ「……ここは……?……痛っ……」
(体を動かそうとして、体中に痛みが走り、顔をしかめるハルヒ)
レノ「……無理すんな。全身打撲の上、一週間眠ったままだった」
パノ「ここは私達の家です。心配せず、ゆっくり体を休めて下さいね」
ハルヒ「……有り難う……ございま…す…」
パノ「自己紹介がまだでしたね。
私は、パノ・ホワイト・クルス。そして、兄のレノです」
レノ「……宜しく」
ハルヒ「……宜しく…お願いしま…す…。
……私は……。(ハッとする)!……わたし…は…」
ハルヒ「(モノ)わたしは……だれ……?」
(ハルヒを見つめるレノ)
レノ「……」
パノ「私達は、この教会で神父をしています。
貴女に主のご加護がありますように」