子羊に愛の手を
#~夜~
~教会~
(礼拝堂の像を見つめているハルヒ)
ハルヒ「……」
(足音
レノが現れる)
レノ「……礼拝堂にいたのか」
ハルヒ「……神父…さ…ま…」
レノ「レノでいい。『神父さま』なんてガラでもねえ呼び方はやめてくれ」
ハルヒ「……は…い…」
レノ「……なあ、起き上がれるなら、御神木のある場所に行かないか」
ハルヒ「……?」
レノ「行くのか? 行かないのか?」
ハルヒ「……行きま…す…」
#~裏庭・御神木~
ハルヒ「……」
ハルヒ「(モノ)この場所…清々しい気で満ちている…」
レノ「俺は仕事があるから行くが、何かあったら遠慮なく呼べよ」
ハルヒ「……有り難うございま…す…」
#~教会~
パノ「珍しい事もあるもんだ」
レノ「何がだ?」
パノ「他人に興味を示さない兄貴が、彼女には自分から関わってるし」
レノ「……フン」
(真剣な顔になる二人)
パノ「兄貴」
レノ「……ああ。厄介な時に来たな…」