子羊に愛の手を
~裏庭・御神木~
ハルヒ「……」
ハルヒ「(モノ)異質な気配……」
厄「娘……力が欲しくはないか?」
ハルヒ「……え……」
厄「私にその身を委ねてくれるだけで良いのだ。悪いようにはしない」
レノ声「雷神!!」
(雷が厄を襲う)
厄「(呻く)う…ぐ…!」
(レノがハルヒを庇うように、厄の前に立つ)
レノ「聞く耳持つなよ」
ハルヒ「……あ……」
レノ「さて、と。貴様は本来、ここにいるべき存在じゃない。とっととウチに帰んな!」
厄「邪魔をするか……分をわきまえない人間が!!」
(レノの体に衝撃が走る)
レノ「(呻く)ぐ……!」
ハルヒ「あ……」
(レノに駆け寄ろうとするハルヒ)
レノ「お前は御神木から離れるな」
ハルヒ「……で…も…」
レノ「心配するな。必ず護る」
パノ声「ひゅー♪ 兄貴ってば熱いじゃん♪」
レノ「……(怒)」
レノ「事態はどうなっている?」
パノ「雑魚は片づけた。残る厄はコイツだけだ」
レノ「……成程。御神木に近づけるだけの力を持っている…。自分の仲間を喰ったな…?」
厄「フフ…鋭いよのぅ、神父。今、我に必要なのはその娘だ。邪魔をするな」
パノ「それは無理な相談だね。俺たちの仕事知ってる筈だよ? お前たちに殺された両親の代わりに、この教会でボランティアをしてるけど……『厄払い』もしてる」
レノ「戯れが過ぎたな。『浄火(じょうか)』!」
(炎が厄を襲うが、厄の前で消える)
ハルヒ、レノ、パノ「!」
厄「無駄無駄……そんな子供騙し、効かないよ」
(歯を噛み締めるレノ)
レノ「……っ!」
パノ「ウソだろ…? 兄貴の浄火が子供騙し…?」