Sparkly days
あたしから離れたマサ兄はサユ姉の隣に座った。そして極上の笑みを浮かべるマサ兄。
あたしには悪魔の微笑にしか見えない!!

「リク、座らないの?」

あたしがいつまでも座ろうとしないことに気付いたサユ姉が尋ねてきた。あたしは「今日は立っていたい気分なんだ」と答えたが、本当は黒スマイルを浮かべたマサ兄の向かいに座る度胸が無かったんだ。素直に座ったりなんかしたらどんな目に遭うか。想像しただけで恐ろしい。
それともう一つ。さっきからやけにうるさい心臓を落ち着かせたかったという理由もあるんだけど、原因を考えたくないのでこの理由は除外!

「ところで今日は何の呼び出し?」

やっと心臓が落ち着きを取り戻し始めたところで、今日の召集について尋ねた。けどみんなの反応がなんか変……。呆れたような、バカにしたような(これは主にマサ兄)顔をしている。あたし変なこと聞いたかな?
一瞬の躊躇いの後にサユ姉が口を開いた。

「何って、今日はユウキが……」

「え?ユーキ?ユーキがどうかしたの?」

聞き慣れたあの子の名前に思わず食いつく。

「わたし、一時帰国するってメールしたよね?」

「グハッ!!」

突然横から声がしたと思ったら、直後に肘うちされた。

「ユ、ユーキ!?」

ぶつかってきた張本人はあたしを無視し、テーブルを囲んでいる3人に笑顔を向けている。

「久しぶり、マサ兄、サユ姉、タカ!」

「おかえり、ユウキ」

「久しぶり」

「元気そうだな」

サユ姉、タカ、マサ兄が順にユーキに言葉をかける。

「あたしのことは無視ですか!?」

みんなが和気藹々としている中、あたし一人だけ取り残された気分だった……。



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