失恋GAME
苦しみと罪悪感
一度好きになった気持ちというのは残酷なもので

田嶋くんと柴田さんは同じ職場。

柴田さんを忘れようにも嫌でも顔を合わす

そして相変わらず優しく、ますます意識してしまう。




田嶋くんをちょっぴり好きになったのに

やっぱり心は柴田さん。






バイトの期間が終わり、私は無職になった。






私は田嶋くんに会いにゲームセンターへと足を運ぶ

「あれ?田嶋今休憩中、聞いてない?」

いや、聞いてたよ

でも、わざとなの。

いつも田嶋くんに聞いてるよ

「田嶋くん、あんまり会いに行くと怒られるよね店長(柴田さん)に…店長さん、次いつお休み?」

「田嶋くん、今日何時から休憩?」



柴田さんが休みじゃない日、柴田さんが休憩に入らない時間、悪い私は柴田さんに会いたくて行ってしまいます。




「電話しなよ!休憩入ったばっかりだからラブラブしてきな」

「いーよ、田島くんが戻ってきてからの仕事中お邪魔する!」

「いや、それは普通にいかんやろ!」

「いーのいーの!ね、柴田さん、それなあに?」



他愛ない会話。
嬉しくて嬉しくて嬉しくて

私と柴田さんだけの時間。



両替機整理に柴田さんが動くとちょこちょこ後をついてく私。

「なんだよー付いてくるなよー金魚のフンかよー」

「えーだって両替機整理初めて見たんだもん!」

「…パクるなよ?」

「パクらんて!」

両替機整理初めて見たなんてウソ

いつも遠くから見てた





「お前、田嶋についてけよー」

「今休憩中、お邪魔したら悪い」

「俺は仕事中なんだよ、こっちのが悪いよ」

「あたし偉いもーんVIP待遇だからね」

「バカかー」



ただ貴方の側に居たいのです


はたから見ても、自分から見ても最低な女。


仕事期間が終わったから
柴田さんに会いたくて
好きでもないヤツと付き合って
好きでもないヤツに好きと言う




罪悪感はあるけれど、好きな気持ちが勝ってしまう

やっぱり柴田さんが好き。
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