[完]俺様くんがスキなんです!!
「どうした?って……」

風磨はソファーに座って私を見た瞬間固まった。

「風磨助けて!!」
「……」

え?何で反応ないの!?

「風磨!!」
「え?あぁ……どした?」
「お願い早く来て!!」
「いや……でもそれは……」

何だかいつもと違う様子な風磨。

だったらもう……!!

「お願いだからこっち来て!!」

風磨の腕を引っ張って浴室に連れこむ。

「ねぇ……これどうにかして!!」

私が指差したのは……ゴキブリ……

「は?ゴキブリじゃねーかよ、こんなもんでギャーギャー騒ぐなよ」
「何言ってんの!?ゴキブリなんてこの世の物じゃないよ!!早く取って!!」
「うるせーな……ほれ?」

ゴキブリを素手で掴んで私に向ける風磨。

「キャーーーーーーーー!!」

私は勢いよく風磨に抱きつく。

「お願いだからどこかやってぇ……」

私はもう放心状態……。

そして風磨はゴキブリを外に捨てて私のほうを振り返った。

「……」

え?無言……?

「風磨……?」
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