[完]俺様くんがスキなんです!!
「ま、いっか。今日のデートプランもよくわかったし……」
「……は?」

まさかこいつ……俺達の後をずっと追っていたのか!?

「風磨くんはそこそこ強いってこともわかったし……僕も強くならないとねー……」

陸人はそれから美紅に視線を変えた。

「美紅が選ぶのは……どっちかなー……」

なんてことを残して陸人達は俺達の前から消え去った。


_____________


「美紅立てるか?」
「うん……」

それから俺は美紅を起こして俺の腕の中に入れる。

「ごめん……」
「なんで謝んだよ……」
「だって……風磨関係ないの……ん……」

俺はいつの間にか美紅の口を塞いでいた。

何も言わせないように……

「帰るか……」
「うん……」

俺達は手も繋がずに水族館を後にした。

__________


「おじゃまします……」

それから俺達は俺の家に帰ってきた。

美紅は今日も俺の家で泊まることになった。

「……」
「……」

どちらも喋らずしばらく沈黙が続く……

「あのね……」

沈黙を破ったのは美紅だった。

「トイレ行ったら何されたと思う?」
「……は?」

美紅のいきなりの質問にそんな声がこぼれる。

「何って……何が?」
「……私トイレ入ってる間長いって思わなかった?」
「思ったけど?」

俺の頭の中に嫌な予感が生まれる。

「私トイレ済ませて外出たら……」
「……出たら?」

俺は思わず固唾を飲み込む。

「いきなり囲まれてあいつの前に連れてかれた……」
< 176 / 232 >

この作品をシェア

pagetop