[完]俺様くんがスキなんです!!
「そんな奴が簡単に騙されると思うか?」
「……」
「どうした?驚いて声が出ないか?」
「……るせー……」

まさかの立場逆転……

つか、最初っからあいつのほうが下だったか……

「よくも美紅のこと汚したな……」

俺はいつもより低い声に変えた。

「ただで済むと思うなよ?いつかお前を潰しに行く……覚悟しとけ」

そう言って俺は電話を切った。

「あ″ー……寝みぃ……」

昨日は美紅のことが頭から離れなくて全然寝れなかった。

実際傷つけてるのは陸人じゃない……俺だ……

美紅があいつを選ぶ訳ないってわかってたのに俺が知らない美紅を見るのが怖くてただ一方的に言ってただけだ……

「何やってんだよ……」

俺は怪我した拳を見つめる。

まだ俺の手からは美紅の温もりが消えない。

「大事なものなくしてどうすんだよ……」

よし……

俺はあるところに電話を掛けた。

これ以上美紅を苦しめる訳には行かない……
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