[完]俺様くんがスキなんです!!
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「ごめん……」

私は風磨に抱きしめられながら静かに呟く。

「……あの日ね?私留衣とたまたま学校行けなくなって一人で歩いていたの」

あの日のことを丁寧に一つずつ風磨に教える。

「そしたらいきなり誘拐されて……変な物で口抑えられて……それから私意識飛ばしちゃったの……」

風磨は私を無言のまま抱きしめて頭を優しくポンポンと撫でる。

「目が覚めたら知らない場所……裸だったしまさかと思って立ち上がったら腰痛くて……チラッとベッドの横見たら陸人の私物があって……私陸人済まされちゃったんだって思ってすぐシャワー浴びて体中ゴシゴシ洗ったの……だけど全然傷が消えなくて私その場でワンワン泣いてたら……風磨に会っちゃったんだ……」

そう言った瞬間風磨の抱きしめる強さが一気に強くなった。

それと……私の首元に軽くキスをした。

「風磨にいろんなこと聞かれて私もう誰も信じられなくなった……けど風磨のことしか頭になくて……ごめん……」

私は静かに涙を流す。

「俺は知ってた。美紅がそんなことする訳ないって……でもバスローブ着てる美紅が見たことなくて俺の知らねー美紅がいたから戸惑ってあんなこと言っちまった」

そう言って風磨は私の涙をそっと拭う。

「俺美紅のこと好きすぎてよく自分のこと制御出来なくていっぱい傷つけるかもしんねーけど……俺が好きなのは美紅だけだから」

そんな風磨の言葉に自然と涙が込み上げてくる。

「私も……風磨しか好きじゃないよ?」
「知ってるし」
「はー?何その俺様発言!!」
「俺だからな」
「うわードン引き……」
「うるせ」

ーグイッ

「キヤッ!!」

私はいつの間にか風磨の下で馬乗りされている。

「美紅は俺に操られるのが好きなんだもんな?」
「違いますー!!風磨が私に甘えられるのが好きなんでしょ?」
「は?マジで意味わかんねーし」

風磨は私に強引に口を塞がれる。

「美紅覚えとけよ?俺はお前にしか惚れてねーからな?どこにいても」
「何それ、何か風磨がどっか行っちゃうみたい」
「まさか」

そう笑って風磨は私に覆い被さってきた。

でも私はまだ知らなかったんだ……

さっきの言葉が本当に来るのは近くにあるなんて……
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