[完]俺様くんがスキなんです!!
「……何で……」

扉を開けるとそこには何もなくて……私は思わず風磨の家に上がりこんだ。

「風磨?」

名前を呼んでも返事は返ってこない。

「嘘……」

私はその場で泣き崩れた。

どうして急にいなくなったの?

何か言ってよ……

ちゃんと私のことを見て笑ってよ……

もって力強く抱きしめてよ……

「バカ……」

そう言って私が部屋を見渡すと……

小さな白い紙が目に入った。

私は不思議に思いながらその紙を手に取る。

その紙には…

“美紅ごめんな?
俺は美紅を守れなかった
だからしばらく美紅から離れる
本当に自分勝手ですまない
でもこれだけは忘れるな
俺はいつまでも美紅が好きだ
だから美紅もその気持ちでいてくれ
美紅……愛してる”

「う″ぅ……グスッ……」

私は自分を凄い悔やんだ。

何でだろ……どうして?

風磨にばっかり迷惑かけてる。

風磨が大好きだよ……

風磨の全部が好き……

でも……離れるのは……凄い嫌だよ……

「バカッ……」

私はその紙を胸に当てて風磨を感じた。

「何で……何でよ……バカじゃん……バカじゃないの?……勝手に置いてかないでよ……私はあんたがいないとダメだってこと知ってるのに……」

私はその紙を破った。

「こんなの要らないよ……欲しいのは……風磨だけ……」

そう言って私は今以上に泣いた。

「バカ……バカ……本当バカ……バカにも程がある……バカ……バカァ……」

私はもうこの世界は明るくならない気がした。

風磨がいない世界なら……私はずっと真っ暗な世界にいるんだろう……

「風磨しか……愛せないよ……」

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