[完]俺様くんがスキなんです!!
俺は何も言えなかった。

なんで?とか嘘だろなんて
言えるはずなかった。

俺の頭の中は俺に微笑む美紅の顔しか思いつかないから……

<美紅ちゃんが人間不信になったのは
風磨がいなくなっただけじゃない>
「……え?」
<美紅ちゃんの双子の姉弟が……
事故で亡くなったんだ>
「……まさか」

美紅は一緒にいた時双子は元気だって言ってたから会うのが楽しみだった。

写真を見せてもらった時だって
「風磨のことカッコいいって言ってたよー」
なんて言うから俺はずっと会いたいって思ってたんだ。

なのに、何故だ……?

<双子ちゃんが事故に遭うまでは
美紅ちゃんは前向きでいたんだ。
美紅ちゃんはきっとこれは風磨のためだって思ってたんだ。
けど、あの事故が遭って美紅ちゃんは
精神的に追い詰められて行った。
…なんたって美紅ちゃんだけ助かったんだからね>
「……は?」

その言葉に意味がわからなかった。

美紅だけ助かった……?

<あの日美紅ちゃんと双子の3人で
旅行に出かけてたんだ。
美紅ちゃんの卒業旅行でね?>

卒業旅行ということは……高校卒業して事故に遭ったのか……?

<美紅ちゃん達は電車で旅館に向かっていたんだ。
でもその時電車が横転して炎上。
しかも出荷近くが双子がいる場所だったんだ。
丁度その時美紅ちゃんはトイレに行っていて
無事だったんだけど双子は即死。
遺体も外見ではわからない程
やけどを負っていたんだ。
それで美紅ちゃんは自分を責めた。
なんで自分が言い出した旅行で
自分だけ生きてるんだって>

俺は思わず頭を抱えた。

アメリカにまで報道されたニュース

それに美紅が乗っていたなんて知らなかった。

俺は何故そんな時期に美紅のそばにいなかったんだろう。

美紅をちゃんと支えていれば……

<でもそれだけじゃなかった>
「……は?」
<美紅ちゃん達が乗っていた電車の運転手が自分が運転してなかったから
と言って責任をとらなかったんだ。
そしてその運転手は出発前美紅ちゃんと面識が会ったんだ。
なのにその運転手は美紅ちゃんの
「どうして事故にあったの?妹達を返して下さい!!」
という声を
「俺は関係ない」
とあっさり切られてしまったんだ。
それから美紅ちゃんの人間不信が始まった>

美紅は過去を抱えている時に俺は何をやっていた?

俺は跡取りだけにアメリカに行った。

ただ親の言い名づけになっているだけだった。

<そして美紅ちゃんは……
親に捨てられたんだ>
「……は?」

俺はその言葉で頭が真っ白になった。
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