[完]俺様くんがスキなんです!!

人生という壮大なストーリー~風磨side~

「好き……」

やっぱり俺の勝ちか……

「ならいくらでも俺のそばにいろ」
「うん……」

珍しく美紅が素直に答える。

「ねぇ」
「あ?」
「話したいことあるからさ、
うち行かない?」

恥ずかしそうに下を向く美紅。

「何?変なこと想像しちゃってんの?」
「違っ……」

そのまま美紅は赤くなった顔を俺に向ける。

「なんだよ」
「違うの、ただこういうの
久しぶり過ぎてちょっと……」

それって……

「俺以外見てなかったって訳か」
「いや、違っ……くない///」

やっぱりこいつ可愛い。

「じゃ、美紅んち行くか。
どこ?家変わったんだろ?」
「そこ……」

美紅が指差したのは……
ここからでもすぐわかる高級マンション。

「あんなとこ住んでんの?」
「いや、会社の社長さんが
使っていいって貸してくれてるの。
ほとんど家に帰ることもないし……」
「ふーん……」

社長って男かな……
なんて思いながらも俺は美紅を抱えて
そのマンションを目指した。

「ちょ、恥ずかしい……」
「いいだろ別に」

やっぱり素直になった美紅は
別人のようにかわいくて
俺の腕の中にいるってことが
凄く嬉しかった。

「風磨」
「どした?」
「私、留衣にも話してないことあるの……
全部受け止めてくれる……?」

潤んだ瞳が出会った当時と
同じように見えてくる

「あたりまえだろ」

すると美紅は俺の首に回している
腕の力にギュッと力を込めた。

それはまるで話すのがまだ怖いと言ってるように……



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