[完]俺様くんがスキなんです!!
「うぅ……ふぇ……」

彼女は泣いていた。

まるで何かを求めているように……。

彼女は泣き止む気配すら見えない。

こいつ……どうかしたか……?

彼女の瞳から出る涙は濁りのない透明な雫で、外で淡々と降っている雨よりも美しかった。

でも……彼女は無意識のままにこう呟いた。

「……陸人……」

彼女は確かに男の名前を呼んだ。

彼氏か……?

ってことは……失恋か……?


その姿を見て俺は黙って頭を撫でることしか出来なかった……。

< 22 / 232 >

この作品をシェア

pagetop