Cold phantom
「それで?今日はバイトまで昼寝でもするの?」
マリアさんは唐突に私にそう切り出した。
「うーん…正直なにしようかなって思ってる…。」
「それじゃあさ、手伝ってよ掃除、ちょっとで良いからさ。」
そう言って持っていたホウキを私に突き出すように私に差し出してきた。
「えーっ!、どうしてそうなるの?」
「暇なんでしょ?ほんとちょっとでいいからさ。大家の仕事がまだちょっと溜まってるし、ほんと10分だけでも良いからさ。」
「…掃き掃除はその仕事からの現実逃避ってとこだね。」
「う…鋭い。」
思わず本音を漏らす、マリアさんは本当に正直者だ…
「ねぇ、お願い祥子ちゃん。祥子ちゃんの一人暮らしの為にこの安アパートでも更に家賃を抑えて生活させてるんだし、これくらいしてくれてもいいじゃない。」
「う…それは卑怯だよマリアさん。」
事実を掘り下げすぎて、逆に事実を掘り返された。
墓穴は掘ってないが、掘られた事に変わりはないようだ。
「…10分だけだからね。」
「ありがと~祥子ちゃん。ちゃちゃっと仕事済ませるから、頑張ってね。」
と、半ば押しつけられる様にホウキを受けとると、全室の玄関が西に向いている二階建てのマンションの一階の右端の101号室に向かったマリアさんの後ろ姿を見送りながら…
「掃除を後にすれば良いだけなんじゃないかな?」
と思うのは、果たして間違いなのだろうか?
そんな事を思うのだった。
マリアさんは唐突に私にそう切り出した。
「うーん…正直なにしようかなって思ってる…。」
「それじゃあさ、手伝ってよ掃除、ちょっとで良いからさ。」
そう言って持っていたホウキを私に突き出すように私に差し出してきた。
「えーっ!、どうしてそうなるの?」
「暇なんでしょ?ほんとちょっとでいいからさ。大家の仕事がまだちょっと溜まってるし、ほんと10分だけでも良いからさ。」
「…掃き掃除はその仕事からの現実逃避ってとこだね。」
「う…鋭い。」
思わず本音を漏らす、マリアさんは本当に正直者だ…
「ねぇ、お願い祥子ちゃん。祥子ちゃんの一人暮らしの為にこの安アパートでも更に家賃を抑えて生活させてるんだし、これくらいしてくれてもいいじゃない。」
「う…それは卑怯だよマリアさん。」
事実を掘り下げすぎて、逆に事実を掘り返された。
墓穴は掘ってないが、掘られた事に変わりはないようだ。
「…10分だけだからね。」
「ありがと~祥子ちゃん。ちゃちゃっと仕事済ませるから、頑張ってね。」
と、半ば押しつけられる様にホウキを受けとると、全室の玄関が西に向いている二階建てのマンションの一階の右端の101号室に向かったマリアさんの後ろ姿を見送りながら…
「掃除を後にすれば良いだけなんじゃないかな?」
と思うのは、果たして間違いなのだろうか?
そんな事を思うのだった。