Cold phantom
ジリリリリリリリリリィーン!!
喧しい騒音の元を絶とうと覚束ない手振りで左手がフラフラと目覚ましを探しあぐねていた。
「ん、んん…」
まだ覚醒しきれない眠気なまこの脳が必死に目覚ましを探り当てているが何故か一向に手応えがない。
「ん?」
喧しいベルの音に流石に私の目も開かざるを得なかった。
普段あるはずの場所にそれはなかった。
周りを見回してようやく事態が飲み込めた。
ベッドから床を覗き込み私はそれに手を伸ばした。
「なんで落ちちゃうかな…。」
そう言ってうつ伏せになりながらも健気にベルを鳴り散らす目覚ましに止めるよう命令するかの様にボタンを押す。
ようやく沈黙した目覚ましを拾い上げ元の場所に戻すと、未だ眠気の残るだるい体を無理矢理起こした。
昨日までならこの時間に目覚ましをかけなかったが、今日からは新学期。
流石に早く起きる必要があった。
それに今日から新入生も来る、そうなればやはり学校の空気も変わる。
暖かい陽射しが僅かに溢れる窓を全開にし、東日を体全体で浴びた。
近くの歩道にある桜並木から桜の花弁が一つヒラヒラと風に乗って目前を通り過ぎて行った。
「そう言えば夢見たなぁ。」
そう言うと、頭の中で微かに残る夢の欠片を少し集め始めた。
喧しい騒音の元を絶とうと覚束ない手振りで左手がフラフラと目覚ましを探しあぐねていた。
「ん、んん…」
まだ覚醒しきれない眠気なまこの脳が必死に目覚ましを探り当てているが何故か一向に手応えがない。
「ん?」
喧しいベルの音に流石に私の目も開かざるを得なかった。
普段あるはずの場所にそれはなかった。
周りを見回してようやく事態が飲み込めた。
ベッドから床を覗き込み私はそれに手を伸ばした。
「なんで落ちちゃうかな…。」
そう言ってうつ伏せになりながらも健気にベルを鳴り散らす目覚ましに止めるよう命令するかの様にボタンを押す。
ようやく沈黙した目覚ましを拾い上げ元の場所に戻すと、未だ眠気の残るだるい体を無理矢理起こした。
昨日までならこの時間に目覚ましをかけなかったが、今日からは新学期。
流石に早く起きる必要があった。
それに今日から新入生も来る、そうなればやはり学校の空気も変わる。
暖かい陽射しが僅かに溢れる窓を全開にし、東日を体全体で浴びた。
近くの歩道にある桜並木から桜の花弁が一つヒラヒラと風に乗って目前を通り過ぎて行った。
「そう言えば夢見たなぁ。」
そう言うと、頭の中で微かに残る夢の欠片を少し集め始めた。