Cold phantom
そんな時だった。
入り口の扉がゆっくりと開き、カウベルがカラカラと乾いた音をたてた。
「いらっしゃ…あっ。」
私は店に入ってきたお客さんに声をかけて止まった。
「あら祥子、準備中だったかしら?」
「ううん、まだピークじゃないから準備してるだけだよ沙冬美ちゃん。」
そう言って、沙冬美ちゃんが私の目の前のカウンター席に座り込んだ。
私の前に意図的に座ったのではなく、彼女がいつも陣取る場所だ。
そして…
「いつもので良いの?」
「うん、お願いするわね。」
そう言われて、私は沙冬美ちゃんの言う「いつもの」に取りかかる。
沙冬美ちゃんがいつも頼んでいくのは「ダッチコーヒー」
名前は珍しいがやることは作り置きをただカップに注ぐだけの一番簡単なコーヒーだ。
あったかいコーヒーが基本好まれる為に、水だしのダッチを好んで飲むのは沙冬美ちゃん以外には数える程しかいない。
店のロゴが描かれたコルクの受け皿にカップを添えて沙冬美ちゃんの前に置くと、それと同時にまた店の入り口が開いた。
今度はお客さんではないようだ。
「沙冬美?もう来てんの?暇ねぇあんたも…」
と言って入ってきたのは、買い出しから帰ってきたみーちゃんだった。
入り口の扉がゆっくりと開き、カウベルがカラカラと乾いた音をたてた。
「いらっしゃ…あっ。」
私は店に入ってきたお客さんに声をかけて止まった。
「あら祥子、準備中だったかしら?」
「ううん、まだピークじゃないから準備してるだけだよ沙冬美ちゃん。」
そう言って、沙冬美ちゃんが私の目の前のカウンター席に座り込んだ。
私の前に意図的に座ったのではなく、彼女がいつも陣取る場所だ。
そして…
「いつもので良いの?」
「うん、お願いするわね。」
そう言われて、私は沙冬美ちゃんの言う「いつもの」に取りかかる。
沙冬美ちゃんがいつも頼んでいくのは「ダッチコーヒー」
名前は珍しいがやることは作り置きをただカップに注ぐだけの一番簡単なコーヒーだ。
あったかいコーヒーが基本好まれる為に、水だしのダッチを好んで飲むのは沙冬美ちゃん以外には数える程しかいない。
店のロゴが描かれたコルクの受け皿にカップを添えて沙冬美ちゃんの前に置くと、それと同時にまた店の入り口が開いた。
今度はお客さんではないようだ。
「沙冬美?もう来てんの?暇ねぇあんたも…」
と言って入ってきたのは、買い出しから帰ってきたみーちゃんだった。