Cold phantom
「みさきぃ、早くトマト持ってきてぇ。たまねぎが焦げ付くからぁ。」

「はいはい、ちょっと待って。まったく、なんでケチャップも手作りにするんだか。」

文句を並べながら、見るからに重そうな満タンに詰まった買い物鞄を持ち上げて店の奥に消えていった。

「さすがは美咲ね、力の2号とはよく言った物よね。」

「あはは…」

冷静に分析するかのような沙冬美ちゃんの言葉に私は小さく苦笑いした。

「沙冬美ぃ、聞こえてるぅ。」

それに対してみーちゃんの低い棒読み声が返ってくる。

そんな反応もニヤニヤした表情で沙冬美ちゃんは見ていた。

ちなみに技の1号は私の事を言っているようだ。

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