Cold phantom
沙冬美ちゃんが店に来てしばらくすると、ピークが近づいてきたのを実感させられる。
疎らだがお客さんが増えはじめて来た。
時間もそろそろ6時半に差し迫った頃、沙冬美ちゃんが二杯目のコーヒーを頼んだ時と同時にまたお客さんが来店した。
「私のは後で良いわよ。」
そう言う沙冬美ちゃんの言葉に甘え、「いらっしゃいませ」とお客さんを出迎えた。
現れたお客さんは男性二人で私たちとあまり年の差が無いようだった。
常連客ではないが、店自体には慣れているようで、特に周りを見渡す事は無く沙冬美ちゃんの二つ隣のカウンターに腰を掛けた。
「ご注文を承ります。」
いつもと同じ応対で言葉を掛けるが、席に着いて暫くは何故か周りをグルグルと見回していた。
やっぱり店は初めてなんだろうかと思っていた所で、沙冬美ちゃんの近くにいる方の男の子が話しかけてきた。
「あの、美咲姉は今仕事中ッスか。」
「美咲姉…もしかしてみーちゃん?」
私がそう問いただすと、その男の子も私を見ながら驚いていた。
「みーちゃん…もしかして祥子先輩ッスか?」
「え?あっ…うん。」
突然の事で私は返答に戸惑った。
何故か私の事を知っているのに驚いたからだ。
男の子への返答に困っていた私を見ていた沙冬美ちゃんは、間を置いて話し始めた。
「もしかして、例の従弟じゃないかしら?」
「あ…そっか。」
そうだった、みーちゃんの従弟君がこの店に来ることになっていたのを思い出した。
さっきまでその話題に触れていたのにと、内心少しだけ恥ずかしかった。
疎らだがお客さんが増えはじめて来た。
時間もそろそろ6時半に差し迫った頃、沙冬美ちゃんが二杯目のコーヒーを頼んだ時と同時にまたお客さんが来店した。
「私のは後で良いわよ。」
そう言う沙冬美ちゃんの言葉に甘え、「いらっしゃいませ」とお客さんを出迎えた。
現れたお客さんは男性二人で私たちとあまり年の差が無いようだった。
常連客ではないが、店自体には慣れているようで、特に周りを見渡す事は無く沙冬美ちゃんの二つ隣のカウンターに腰を掛けた。
「ご注文を承ります。」
いつもと同じ応対で言葉を掛けるが、席に着いて暫くは何故か周りをグルグルと見回していた。
やっぱり店は初めてなんだろうかと思っていた所で、沙冬美ちゃんの近くにいる方の男の子が話しかけてきた。
「あの、美咲姉は今仕事中ッスか。」
「美咲姉…もしかしてみーちゃん?」
私がそう問いただすと、その男の子も私を見ながら驚いていた。
「みーちゃん…もしかして祥子先輩ッスか?」
「え?あっ…うん。」
突然の事で私は返答に戸惑った。
何故か私の事を知っているのに驚いたからだ。
男の子への返答に困っていた私を見ていた沙冬美ちゃんは、間を置いて話し始めた。
「もしかして、例の従弟じゃないかしら?」
「あ…そっか。」
そうだった、みーちゃんの従弟君がこの店に来ることになっていたのを思い出した。
さっきまでその話題に触れていたのにと、内心少しだけ恥ずかしかった。