いつも同じ空の下で



その途端、ヨシキの動きが止まって唇が微かに離れる



「――ジュリ・・・そんな事すると歯止めが効かなくなる」



熱い息の下でそう言って、困った様に私の顔を見つめたヨシキ

グレーの瞳が、苦しそうに細められる




「歯止め?」


その様子を見て、何の事だろうと首を傾げた私

歯止めって、何の?



そんな私を見て、困った様に体を引いたヨシキ



「――っだから・・・その・・・キスだけじゃ・・・終わらなくなる」



しまいには、恥ずかしそうに腕で口を隠してそう言った

その言葉を聞いて、やっとこの状況を察する




「――――っ!!」


え!? 歯止めって、その事!?

というか、キスの先って・・・そういう事だよね!?



状況が分かった瞬間、恥ずかしくなって咄嗟に顔を下に向けた

ドキドキと太鼓の様に動いている心臓

それでも、脳裏に浮かぶ思い




――でも・・・ヨシキとなら



きっと私の為に、ヨシキは我慢してくれてるんだ

そう思うと目の前のヨシキが愛おしくて、仕方なく思えてきた

そして、意を決して呟いた




「ヨシキ・・・その・・・いいよ」

「え?」



私の発言に目を見開いたヨシキ

その姿をチラリと一瞬見ながら、再び口を開く


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