いつも同じ空の下で




――そして、迎えた約束の日。





「お疲れ様~っ」





土曜日の部活を終えて、改札の所で待っているヨシキに駆け寄る

すると、そんな私の姿に気づいたヨシキが片手を上げて、ニッコリと微笑んだ




「お疲れ様。ジュリ」

「ヨシキも」

「そうだ。どこかで昼ごはん買って、公園で食べようか」

「あ! 私あそこのサンドイッチがいい。桜を見た時に寄ったお店」

「うん。じゃぁ、あそこにしようか」



そう言った私の頭を一度撫でた後、嬉しそうに微笑んだヨシキ

そして桜を見た時と同じ様に、お洒落なオープンカフェでサンドイッチを買って公園へと向かった





「――わぁ~。やっぱり秋だね~。春に来た時とは全然雰囲気が違う」

「春に来た時は、緑いっぱいだったもんな」




一面に広がる紅葉を見て、ヨシキが眩しそうに瞳を細めた



久しぶりに訪れた公園は、すっかり季節が変わっていた

燃える様な赤と、黄金に輝く黄色が世界を彩っている




それから、手を繋いで坂を登って、小さな展望台へと向かう




「春に来た時も、こうやって手繋いで坂上ったね~」

「手は繋いでるけど、関係は変わったな。春はまだこの時点では友達だったけど。今は恋人だ」



嬉しそうにそう言って、私のこめかみにキスをしたヨシキ

その言葉とキスに、嬉しさで笑みが零れる


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