いつも同じ空の下で
あの時の話をしながら、長い坂を一緒に上っていく
そして、辿り着いた展望台からの眺めは、あの時と変わらず綺麗だった
「わぁ~~!! 周り一面紅葉してる~!!」
「ここに来ると、いつも季節を身近に感じるような気がする」
そう言ってヨシキは、展望台の手すりから身を乗り出して眺めている私の横に寄り添うようにして立った
目の前に広がるオレンジ色の景色を見て、私も同じ様な事を思う
春には桜・夏は新緑・秋は紅葉・冬はイルミネーションもしている、この公園
その季節ごとに、目の前の世界は何度も色を変える
「もう1年も終わりかぁ~。なんだかあっという間だね」
「俺も、今年はジュリと出会えて一年がいつもより早く過ぎて行った気がする」
そう言って、私の肩を抱きよせたヨシキ
そして、いつもの様に、こめかみに優しいキスを落とした
「一緒にいてくれて、ありがとうジュリ」
「私も。ありがとう」
春にヨシキと出会って、いろんな事があった
初めての事ばかりで、戸惑う事も多かった
それでも、いつもヨシキは私を優しく包んでくれた
――幸せな毎日
私を見つめるヨシキの透き通った、少し青みがかったグレーの瞳
私だけを見つめるその瞳が、愛おしくて堪らない
まるで、時が止まったかの様に見つめあう私達
そして、磁石の様に唇を寄せ合い
長い長いキスをした