いつも同じ空の下で
「名前だけ聞くと、なんだかすごい仕事に聞こえるけど、俺と弟は小さい頃は寂しかったなぁ。仕事でしょっちゅう家空けてたからさ」
そう言って、少し寂しそうに笑ったヨシキ
――そうだよね、海外に行くって事は何日も帰って来ないって事だもんね
甘えたい盛りの時は、きっとすごい我慢したんだろうな・・・
「でも、家に帰ってきた時は、その分うんとワガママ聞いてくれるんだ」
そう言って、まるで子供みたいにニッコリ笑うヨシキ
その表情から、両親の事、大好きなんだなって分かる
小さい頃、甘えたくても甘える人がいなかったんだ・・・
それに比べて、私って小さい頃からガママばっかり言ってた様な気がする
「昔は寂しかったけど、今は逆に楽しいよ。いろんな国の話を聞けるし、弟なんて休みになると、父さんの仕事について行って、遊びまくってるし」
「そうなんだ?!」
この前アルバムで見たヨシキの弟
よく姉妹に間違えられたって言ってたっけ
「でも、俺に子供ができたら、休みの日はいつも一緒に遊びたいなぁ。寂しい思いはさせたくないな」
クスクスと笑っていたヨシキが、急に真面目な顔をして、じっと前を見つめている
きっとヨシキは小さい頃辛かったんだと思う
でもそれが、今の彼を強くしたのかもしれない
そう思うと、少しでも私も彼の役に立ちたいと思う
ヨシキに悲しい思いを、もうさせたくないと思う