いつも同じ空の下で


それから、寒さを和らげる様にピッタリとくっついて歩いた私達

凍てつく様な寒さの中で、繋がれた手だけが暖かかった





それから暫くして、見覚えのある家に着いた


久しぶりに見るヨシキの家は、相変わらず素敵だった

真っ白な壁にはイルミネーションが施され、青い光で明るく照らされている

綺麗に手入れされていた庭にも、ライトアップされていて、とても綺麗





「わぁ~すごい綺麗」

「これも母さんの趣味なんだ。さっ! 寒いし入ろうか」




思わず見惚れていた私にニッコリ微笑みかけて、ドアノブに手をかけるヨシキ

その瞬間、一気に心臓が早鐘の様に鳴りだす



うぅ~緊張する~



まるで棒の様に立って固まっている私を見て、ヨシキが突然クスッと笑った




「大丈夫。いつも通りのジュリでいいから」



囁く様にそう言って、優しく私を抱き寄せてチュッとキスをした




――うん。そうだ。

自分らしく、自分らしく・・・




呪文の様に心の中で唱えて、何度も深呼吸をする

煩いくらいの心臓を押さえて、覚悟を決める




「明けて大丈夫?」

「お…お願いします」




私の返事を聞いて、ゆっくりドアを開けたヨシキ

その途端、家の中から漏れる光が私を包んだ
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