いつも同じ空の下で
それでも男の子は、慌てふためく私の前を何も言わず通り過ぎて行った
ようやく足音が聞こえなくなって、ゆっくり目を開けて深い溜息を零す
「はぁ~~~~・・・・」
パンパンの風船から空気が抜ける様に、体の奥から深く息を吐いた
よかった・・・私のだってバレてないみたい
でも一安心したのも束の間
めちゃくちゃ恥ずかしいけど、駅員さんからランチボックスを返してもらわなきゃ
私は鉛の様に重い足を奮い立たせ、駅員室へ向かった
それでも、駅員さんはとてもいい人で、今にも消えてしまいそうな声の私に、ニッコリと笑ってランチボックスを渡してくれた
でも受け取った後は、まさしく逃げるが如く駅員室を飛び出した
それから隠れる様にして、駅の隅の方でユウキの姿を待った
「あぁ~暑い・・・」
しばらく、恥ずかしさのあまり真っ赤だった顔をパタパタと手で仰いでいると
「ジュリ~!おはよ~!!遅れてごめん~~」
全く悪びれた様子もなく、改札口の方からユウキがバタバタとこちらに向かってきた
その声を聞いた瞬間、勢いよく立ち上がって、ユウキの元に駆け寄った
「ユウキ~~!!ちょっと聞いて!!」
この恥ずかしさを誰かと共感したくって、すがるようにユウキに抱きついた
「えぇ!?どしたの!?ってかなんでそんなに顔真っ赤なの!?」
駆け寄ってきた私を見て、目を丸くしてユウキが私の顔を覗きこんだ