いつも同じ空の下で
こんなにも周りを気にせず泣いたのは、いつぶりだろう
ずっと泣き止まない私を、ヨシキは辛抱強く抱きしめて、髪を撫でてくれた
ヨシキの心臓の音を聞いていると、何故か心がだんだん穏やかになっていった
ヨシキの力強い腕
ヨシキの優しい手
大好きなシトラスの香り
乱れた私の心を優しく包んでくれる
自分は大切にされていると、そう思えた
そう思うと、自分のやってしまった事に後悔の念が押し寄せる
もし私がヨシキの立場だったら
もしヨシキに何かあったら
きっと私は、正気ではいられない
きっと、私を助けてくれた時のヨシキも同じ気持ちだったのだろう
ガムシャラに私の上に馬乗りになっていた彼に飛びかかったヨシキ
あんなヨシキを見たのは初めてだった
――でも、そうさせたのは私
私はヨシキに心配をかけさせてばっかりだ
きっとヨシキは、この先も私に何かあったら真っ先に飛んでくるだろう
そう思うと、嬉しくて堪らないと同時に
もう二度と、こんな想いはさせたくないと
強く思った