いつも同じ空の下で


――放課後



いつもの様に待ち合わせをして、一緒にヨシキと下校する


楽しそうに今日あった事を話しているヨシキだけど

いつ話し出そうか考えていたからか、あまり頭に入ってこなかった





「ジュリ、何かあったの?」




すると、そんな上の空だった私に気付いたのか、ヨシキが不思議そうに首を傾げながら問いかけてきた



「あ・・・! ごめん、ボーっとしてた!!」



突然目の前に現れたヨシキの顔に驚きながらも、わざとおどけた様にして笑って見せた

そんな私の言い訳を聞いても、納得のいかない様に首を傾げるヨシキ

その姿を見て、慌てて話を方向転換させる



「あ、そうだヨシキ! あの公園に行かない?」

「うん。いいけど・・・」

「決まり! いこいこ―!!」



いきなりの私の提案に不思議そうにするヨシキだけど、快く承諾してくれた


その姿に、ホッとする私

とりあえず、座ってゆっくり話そう




そして、私達はいつもの思い出の公園へとやってきた

夏真っ盛りの公園は緑がいっぱいで、水遊びをする子供や親子連れで賑っていた




「久しぶりだね~ここに来るの」




キャッキャと遊ぶ子供たちを微笑ましく見ながら呟いた




「そうだね。春の桜以来だね」

「うん」



この前ここに来たのが、つい最近の様に感じる

1年前に約束した通り、私達は今年の春、桜を見にここを訪れた

1年記念という事もあり、ケーキを買って展望台で桜を見ながら食べたんだ
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