いつも同じ空の下で



「静かな所に行こうか」



ニッコリ笑いながらそう言って、ヨシキは私の手を取って公園の小さな池の前のベンチに腰を下ろした



鳥の鳴き声が聞こえる

とっても静かな場所



私はいつ話し出そうか考えながら、自分のつま先をじっと見つめた




――もし、すごく遠い大学とかだったらどうしよう


お母さん達1人暮らし許してくれるかな

近くに私の入れそうな大学はあるかな



そんな事を、もんもんと考えた




しばらくお互い黙りあい、静かな時間が流れた

穏やかではあるが、心の中はモヤモヤとしたもので覆われている



よしっ!!

さらっと聞いちゃおう!!



ようやく心に決心がついて、重たい口を開けようとした時――





「実は、ジュリに話があるんだ」





沈黙を破ったのは、ヨシキの声だった



出鼻を挫かれた私だったけど、ヨシキのただならぬ雰囲気になんだか違和感を感じた



なんだろう

不安が一気に広がる




再び静まり返る世界

なんだか心臓を鷲掴みされている様な感じがして息苦しい

ドキドキと心臓の音が耳に響く

胸の奥がモヤモヤする



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