いつも同じ空の下で
その声を聞いて、私の顔から体育館の方に視線を変えた男の子
そして
「おー! 今行く―」
聞こえた声に応える様に、彼が声のする方に叫んだ
――よしき・・・・っていうんだ・・・
「ごめん! 練習戻るわ。それより本当に足大丈夫?」
そう言って申し訳なさそうに『ヨシキ』が私の足を見ながら首を傾げた
「あ、全然大丈夫です! 練習頑張って下さい!」
「そっか。良かった。じゃぁ、そっちも練習頑張って」
そう言って片手を少し上げて、踵を返して声のした方へ走っていった彼
それからしばらくは放心状態で、『ヨシキ』と呼ばれた彼が走って行った方をボーっと眺めていた
――って!!なんか一瞬の事だったけど、よくよく考えたらすっごく恥ずかしー!!
私、汗でTシャツ濡れてるのに抱き抱えられちゃって汚いとか思わなかったかなぁ!?
汗臭くなかった!?
それに、髪なんて汗で濡れてグシャグシャだしっ
なにより、私どんだけ動揺してんのよ!?
っていうか最後何か言いかけてたけど、何だったんだろう?
――ヨシキ、か・・・
すらっとしていたけど、やっぱり鍛えてるんだろう
転びそうになった時、私・・・片腕で持ち上げられた
自分が女なんだって思わせてくれる様な・・・
なんだか胸の奥がポワポワと暖かい
もしかして、あの瞳のせいかな?
なんか・・・もう1回会いたいな・・・
吸い込まれそうな、あの瞳に