いつも同じ空の下で


久しぶりの学校は賑やかだった

久しぶりに会う友達は、夏休みにあった事なんかを話している



彼氏と海に行ったとか

花火を見に行ったとか

旅行に行ったとか



そんな事を、楽しそうに私に話しかけてくる

そんな中必至に笑顔を作るけど、笑えているか分からない



頭が痛い

眩暈がする





「ジュリ!!」



思わず目を強く閉じた瞬間、ユウキが私の手を掴んで教室から出してくれた

フラつく体のまま、引きづられる様にその後を追う




「大丈夫? 顔真っ青だよ?」



心配そうに私の顔を覗き込むユウキ

あんなに遊びの誘いを断り続けたのに、いつも通り接してくれるユウキの心使いが温かかった




「うん‥大丈夫。ありがとう」




みんなに、これ以上心配ばかりかけられない

このままじゃ、何も変わらない



しっかりしなきゃ



ユウキの優しさに勇気付けられ、徐々に心が前向きになる


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