いつも同じ空の下で
「いやぁ~!! やっぱりジュリのお母さんの料理は美味しいわっ」
そう言って、見ているこっちが嬉しくなる様な顔で、お母さん手作りのサンドイッチをモグモグと食べているユウキ
「でしょ~。昔カフェを開こうと思ってたんだって~。っていうか、スゴイね! この中庭。すっごいお洒落」
青凌高校の中庭は沢山の緑と色とりどりの花に囲まれていて、真ん中には噴水まである
生徒がランチをする時に使うベンチやテーブルはアンティーク風になっていて
なんだか西洋のお城の庭みたいだった
「さっすが名門私立・・・お金のかけ方がハンパないね。私もお金があったら、こんな高校通いたかったよ」
そう言って、羨ましそうに校舎を見つめるユウキ
サラサラの髪をなびかせて、もの思いにふけるユウキは、この中庭の風景とマッチして、それは一枚の絵の様に綺麗だった
こうやって見るとユウキってやっぱり綺麗だよなぁ~・・・
「噂では校内に幾つかカフェみたいなのがあるみたいだよ。なんか大学みたいだよね~」
そんなユウキを横目に、真新しい真っ白な校舎を見つめた
そよそよと優しい風が吹く中、なんだかとっても優雅な気分
そんな穏やかな時間を感じていると
「――あ! ってかジュリ飲み物ないね!?私買ってくる!!」
そう言って急に立ち上がって
「カフェオレでいいね!?」
と私の方を見てニッコリ笑ったかと思ったら、イノシシのようにダダダダ!! と校舎の中に消えて行ったユウキ
まさに嵐の様だ
せっかく綺麗な顔しているのに、得しているのか損しているのか・・・
きっともっと落ち着いた性格だったら、今の10倍はもてるだろうな・・・
そんな事を校舎の方に消えていったユウキの背中を眺めながら思っていると