いつも同じ空の下で



「中庭でのライブ、もうそろそろだよね? 先に場所取りに行こうか」




今日の一番の目玉のライブ

沢山の人が押し寄せるらしいから、先にいいポジションを確保する事にした私達

アヤカの提案通り中庭に向かうと、既に人が結構集まっていた




「わぁ~みんな考える事同じなんだね」




満員電車の様な光景を見て、アヤカがげんなりしている



「ステージ豪華だね~高校の文化祭とは思えないよ」




そう言うユウキの言葉につられて、照明などが沢山取り付けられている立派なステージを眺める

すると





一瞬息が詰まった





視線の先にいる人に、釘づけになる

スラッとした身長に、目鼻立ちのはっきりした顔立ち

少しクセッ毛の髪を無造作にセットして

子供みたいに笑っている男の子が見えた




「――っ」




急に心臓を冷たい手で握りしめられた様だった

ドクドクと心臓が鳴っている

周りの音が聞こえない



見間違えるはずがない




「ヨシキ・・・」





擦れる声で、そう呟いた


< 244 / 351 >

この作品をシェア

pagetop