いつも同じ空の下で
「中庭でのライブ、もうそろそろだよね? 先に場所取りに行こうか」
今日の一番の目玉のライブ
沢山の人が押し寄せるらしいから、先にいいポジションを確保する事にした私達
アヤカの提案通り中庭に向かうと、既に人が結構集まっていた
「わぁ~みんな考える事同じなんだね」
満員電車の様な光景を見て、アヤカがげんなりしている
「ステージ豪華だね~高校の文化祭とは思えないよ」
そう言うユウキの言葉につられて、照明などが沢山取り付けられている立派なステージを眺める
すると
一瞬息が詰まった
視線の先にいる人に、釘づけになる
スラッとした身長に、目鼻立ちのはっきりした顔立ち
少しクセッ毛の髪を無造作にセットして
子供みたいに笑っている男の子が見えた
「――っ」
急に心臓を冷たい手で握りしめられた様だった
ドクドクと心臓が鳴っている
周りの音が聞こえない
見間違えるはずがない
「ヨシキ・・・」
擦れる声で、そう呟いた