いつも同じ空の下で



ヨシキの言葉に俯いていた顔を勢いよく上げた



――そんな風に思ってくれるんだ



そう思うと胸の奥が、きゅうっと縮まる様な感覚がした




「私の方こそ届けてくれて、ありがと。すごく助かった」



そう言って、座ったままペコっと頭を下げた




「あははっ!そんな改まって言わないでよ! なんかこっちが恥ずかしいじゃん」

「でも2回も助けてもらったし・・・あ! じゃぁ、サンドイッチもう1個食べる?」



クスクス笑うヨシキを横目に、慌ててさっきとは違う卵のたっぷり入ったサンドイッチを手に取って差し出した




「なんか俺餌付けされてるみたいだなっ」



そう言いつつも、嬉しそうにサンドイッチを受け取り、さっきの様に2口で平らげてしまったヨシキ




「なんで外で食べるご飯って美味しいんだろなぁ」

「ふふっ、そうだね」



満足げに口をモグモグさせらがら、真っ青な空を見上げてそう言ったヨシキを見て、笑みが零れる

そして、ゴクンとサンドイッチを飲み込んでから、持っていたスポーツドリンクをゴクゴクと喉を鳴らして飲み始め


「ごちそうさまでした」


と丁寧に手を合わせたヨシキ





「さてとっ。そろそろ練習戻るかな」




そう言ってヨシキは、う―んと腕を空に伸ばして背伸びをした


太陽の光を浴びて色素の薄い髪が透けて見える

なんだか生き生きとしている彼が眩しくて、思わず見とれてしまった




「じゃぁ、またねジュリ。午後からも試合頑張れよ」




そう言って微笑んだヨシキを見て、もうそんな時間なのかと気が付く



もっと話したかったな・・・

なんて思いながらもコクンと頷いた




「ありうがとう。ヨシキもね」


そう言って、今日1番の笑顔を作った





「さんきゅ」


そう言ってさっきみたいに、片手をあげてニッコリ笑うと、校舎の中に帰って行ったヨシキ

その後ろ姿を目で追っていると




風に乗って、さわやかなシトラスの香りがした―――――




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