いつも同じ空の下で
「星野さん、スノーボードするんですか?」
一見インドアだと思っていた星野さんだけど、スポーツが好きらしい
意外だ~と始めは思ったけど、たまに垣間見える筋肉は、インドアの筋肉ではなかった
「たまに仲のいい奴らで長野に行ったりするかな」
「長野まで行くんですか? 楽しそう!」
今までスノーボードなんてやろうとも思わなかったけど、ここで働く様になってから、いろんな商品を見ていると興味が湧いてきた
もともと体を動かす事が好きだから、何でも挑戦してみたかった
「ジュリもやってみたら」
「やってみたいです! じゃぁ、今度いい板選んでください」
「高いヤツ買わせてやる」
「ちょっと! 私高校生ですよ!? そんなお金ありませんよ!」
そんな事を楽しく話していると、不意に入口が開いて、6人くらいの団体のお客さんがゾロゾロと入ってきた
反射的に会話を止めて、入口の方を向き笑顔で声を出す
「いらっしゃいませ」
いつもの様に、元気よくお客様をお迎えする
でも
次の瞬間、息が止まるかと思った
すらっとしていて、モデルみたいな体系
少し色素の薄いクセっ毛の髪
くっきりとした二重瞼に、透き通ったグレーの瞳
―――ヨシキ