いつも同じ空の下で



しばらく呆然と、ただ出口を見つめた



待ってる?

今更何を話すの?

彼女ができた報告でもするの?



まだ、ドキドキと心臓が早鐘を打っている

半年ぶりに会ったヨシキは、何1つ変わっていなかった



閉じ込めていた気持ちが、再び芽を出す

体中が、ヨシキを求めている

だから

こんなにも、胸が苦しい―――





「さっきの、あんたの何?」




突然、星野さんがいつもより低い声で私にそう問いかけてきた

思わず隣を向くと、前を見つめたままの星野さんがいた




「知り合い・・です」



なんて答えていいか分からず、そんな言葉が出た

そんな私の答えを聞いても、何も言わずにただ前を見つめる星野さん

そして



「今宮も休憩に行くといい。今混んでないから」

「え・・でも」

「いいから」



少し苛立っている様にも感じる星野さんの声

誰も寄せ付けない様な、そんなオーラを放っている




「――はい」



その雰囲気に押されて、小さく頷いて返事をした




仕事中にあんな事あって、怒ってるのかな・・

なんだか申し訳なくなり、ペコっとお辞儀をしてから休憩室に向かった


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