いつも同じ空の下で
「――それで、ジュリはどうしたいの?」
一通り話終えて、ユウキが落ち着いた優しい声で私に問いかけてくる
「分からない。側にいたいとは思うけど・・・」
側にいたい
笑顔が見たい
触れていたい
だけど、そう思っても時は既に遅くて
ヨシキはもう、私を見ていない
きっと、あの頃には戻れない―――
俯く私の顔を覗き込むユウキ
大きな瞳に、私が映っている
「だったら、その思いのまま進めばいいじゃない。――ねぇジュリ。先の見えない未来より、今を生きなきゃ。この先、不幸になる事を怖がってたら何もできないよ」
「――でも・・・ヨシキといた子、すごい可愛かった。小さくて、髪なんてサラサラで、お人形みたいで・・・。私の方がいいよ、って言える事、1つもない」
文化祭の日、ヨシキと歩いていた女の子を思い出す
サラサラの真っ黒の髪
お人形みたいな小さな女の子
私とは何もかも正反対で、私が欲しいと思っているモノをすべて持っていた
ヨシキに私の方がいいよ。って言えるモノなんて一つもなかった
そう思うと、悲しくて悔しくて涙が出てきた
すると
「ヨシキはそれがいいって言ったの?」
ユウキが私の手をギュッと握って問いかけてくる
その言葉に、ゆっくりと顔を上げる