いつも同じ空の下で
それから、無心になってバイトをこなした
でも忙しかったおかげで、時間はあっという間に過ぎて行った
閉店作業も終わり、更衣室で急いで着替える
ヨシキといる所を他の従業員に見られたら嫌だと思って、みんなが帰るまで更衣室で待っていた
みんな帰ったら、出よう
「ちゃんと伝えるんだよ」
更衣室で深呼吸を繰り返す私を見て、ユウキは優しく微笑んでそう言った
――ありがとう。ユウキ
みんながお店から出たのを見計らい、高鳴る胸を押さえて更衣室から出た
ドキドキと心臓が煩い
足がふわふわと浮いている様だった
裏口に向かい、ガチャっと金属の重たい扉を開けると、少し離れた所に人影が見えた
駐車場の隅に腰かけて空を眺めている
遠くからでも分かる
ヨシキだ
キィというドアの音に気が付いて、ヨシキが上を向いていた顔をこちらに向けた
じっと見つめあう私とヨシキ
胸がギュッと握られている様で苦しい
その場に根が生えた様に動かない足を奮い立たせた
「ヨシキ・・・」
愛しい人の名前を呼んで、その人の元へと足を進める
しかし
「行くな」
突然後ろから腕を引っ張られて、バランスを崩した私はそのまま後ろに倒れ込んだ
それと同時に、後ろから抱きしめられた
低い声が耳の鼓膜に響く
背中から感じる熱に焦がされる