いつも同じ空の下で




「恋よ。恋に決まってる」



そう言って、真剣な顔でショートケーキを食べるアヤカ




「でしょー!! 私も絶対そうだと思う! そして、そのヨウジくんだっけ? も、けっこう気があるね。これ」

「ヨシキくんね」



適当な名前を言ったユウキに、アヤカの厳しいツッコミが入る



「で!? 昨日ヨシキくんと連絡先交換したの?」



そう言って、目をキラキラさせてアヤカが私に詰め寄ってきた

その問いかけに、思わずウッと唸りそうになる

微かな沈黙が流れた後、小さく口を開けた




「えっと・・・してない」




そう言った自分の言葉に、まるで鉛を飲み込んだ様に胸の奥が重くなった


そう。あれから冷静になって気が付いた


もう1度会いたいなんて思いながら、ヨシキの連絡先は知らないんだった




「え!? 連絡先交換しなかったの?」

「う...うん」

「ウソっ! なんで!!」



この世の終わりだ! みたいに青ざめた顔でアヤカが詰め寄ってきた

その視線に耐えられずに、ゆるゆると視線を落とす



「うん・・・なんかテンパっちゃって、聞きそびれた」



っていうか、テンパってなくても男の人に連絡先を聞くなんて度胸、私にはないんだけど・・・



「そっか~・・・あ! でも、また練習試合とかあるんじゃないの?」



そう言って、アヤカが期待の目で私とユウキを交互に見つめた


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