いつも同じ空の下で


突然背伸びをしていた私の後ろから、ヨシキが私を包み込んだ

まるで猫の様にすり寄ってくるヨシキに、思わず笑みが零れる




「もう~休憩するんじゃなかったの~」

「これが俺の一番の安らぎなの!」



背中に隙間なく、くっついているヨシキ

たまにこうやって甘えてくる所、可愛いって思う



引き剥がされるのが嫌! と言わんばかりに、抱きしめる腕を強くするヨシキ


可愛いなぁ




「そんな事してたら、キスできないよ?」




後ろからガバッと抱きついているヨシキに、意地悪くそう言う

すると、私に対抗して悪そうに微笑んだヨシキ




「できるよ」

「え?」



そう言った途端、体操座りの様に座っていた私の膝の下に腕を差し込み、いとも簡単に私を持ち上げたヨシキ


フワッと一瞬宙に浮く私の体


突然の事に驚いて、思わず小さな悲鳴をあげた私を満足そうに微笑んでみているヨシキ

気がつくと、見事に膝の上でお姫様抱っこされていた



「――っ」




なんか恥ずかし―――っ!!



膝から降りようとジタバタと暴れる私

でも、そんなものヨシキの想定内だったらしく、動けない様にヨシキの胸に抱き寄せられた




「逃がさない」




悪戯っ子の様に微笑んで、私の顔に覆い被さる様にしてキスをする



ゆっくりと入ってくるヨシキの舌

水気を帯びた恥ずかしい音が部屋に響く


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